小額訴訟手続

少額訴訟手続とは、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争を解決する簡易裁判所の特別の手続のことです。当事者の負担が少なく利用しやすい制度といえます。

ただし、審理においては、即時に取り調べることができる証拠に限り証拠調べがされますので、何らかの証拠を用意する必要があります。また、少額訴訟でも、話し合いで解決したいときには,和解を利用できます。

少額訴訟手続の訴状が裁判所で受け付けられると、最初の期日が決められ、当事者双方に通知がされます。被告方には,訴状の副本と一緒に口頭弁論期日呼出状、少額訴訟手続の内容を説明した書面、答弁書用紙、事情説明書といった書面が同封されています。これに対しては答弁書で自分の言い分を書いて反論することができます。

少額訴訟判決は、当事者が判決を受け取った日の翌日から起算して2週間以内に異議を申し立てがない場合、確定します。確定すると、その後判決の内容を争うことができません。また、原告の言い分が認められた場合、少額訴訟判決に仮執行宣言が付与され強制執行を申し立てることができます。

少額訴訟判決に不服がある場合は、原告と被告いずれも簡易裁判所に異議の申立てをすることができます。異議後の審理は、少額訴訟の判決をした裁判所と同一の簡易裁判所において,通常手続による審理と裁判が行われます。ただし、異議後の訴訟においても反訴の提起はできません。また、異議後の訴訟の判決に対しては控訴をすることもできません。なお、訴訟の途中で和解により紛争を解決することは可能です。