サイバートラブルとは

○インターネットの普及の影で
インターネットは、すでに生活に欠かせないコミュニケーション手段となりました。インターネットの利用は、非常に便利な側面がある一方で、さまざまなトラブルも引き起こしています。

しかし、インターネットを中心とするサイバー環境のあまりの進展のスピードのために、サイバートラブルに対する法的規制は常に後手に回り不十分なことが少なくありません。したがって、サイバートラブルから身を守るためには、日頃から自己防衛することが大切です。

○技術の進展とともに
IT技術はまさに日進月歩の勢いで発展してます。そして、その技術進歩にあわせて、ネットには様々なサイバーサービスが登場してくるのです。

こうした様々なサービスは、大方便利なものですが、そのセキュリティの穴を狙う者も後を絶たたず、ネットの利用によって財産的あるいは身体的被害を被る人が大勢出ています。近年のサイバー犯罪は巧妙で、捜査当局とのイタチごっこが続きいています。

○ネットの匿名性
サイバートラブルに特有の問題点として、ネットの「匿名性」があります。この匿名性の壁によって、被害者は加害者について知ることができないことから、交渉や裁判による直接的な解決が図れないことからなき寝入る被害者も多いのです。

確かにホームページやメールアドレスから加害者の情報をある程度は把握することもできます。しかし、これをもとにプロバイダーに加害者情報の開示を要請してもプロバイダーは個人情報の保護や通信の秘密を理由になかなか開示に応じてくれません。

また、こうした事態に対応するため、プロバイダー責任法が施行されていますが、その開示要件は厳しいため、被害救済にはあまり役だっていないのが現状です。

さらに、ネットの匿名性は警察の捜査を困難にします。一頃に比べて警察もサイバー犯罪にかなり力を入れるようになりましたが、それでも匿名の場合は捜査に時間がかかってしまいます。

このようにサイバートラブルの解決には多くの壁があることから、事後解決よりも事前予防に力を入れることが大切だといえます。

○サイバートラブルの被害額
サイバートラブルは消費者の被害額にも特徴があります。ネットトラブルにおける被害はほとんど10万円以下の少額です。このためたとえば裁判を起こそうにも、裁判費用などの諸手続費用の方が被害額を上回ってしまい、費用の面から泣き寝入りになるケースが多いわけです。

一方、近年は仮想通過などのサイバートラブルでは、被害額が数百万円、数千万円といった高額被害も出るようになっています。