ネットトラブルとは

ネット社会の爆発的な進展とともに、ネットトラブルが増え続けています。あまりの進展のスピードのためネットトラブルに対する法的規制がまだまだ不十分な現状では、ネットトラブルから身を守るためには、日頃から自己防衛するしかありません。

インターネットトラブルに特有の問題点として、ネットの「匿名性」があります。この匿名性の壁によって、被害者は加害者について知ることができないことから、交渉や裁判による直接的な解決が図れないことからなき寝入る被害者も多いのです。

確かにホームページやメールアドレスから加害者の情報をある程度は把握することもできます。しかし、これをもとにプロバイダーに加害者情報の開示を要請してもプロバイダーは個人情報の保護や通信の秘密を理由になかなか開示に応じてくれません。

また、こうした事態に対応するため、2002年からプロバイダー責任法が施行されましたが、その開示要件は厳しいため、被害救済にはあまり役だっていないのが現状です。

さらに、ネットの匿名性は警察の捜査を困難にします。一頃に比べて警察もサイバー犯罪にかなり力を入れるようになりましたが、それでも匿名の場合は捜査に時間がかかってしまいます。

また、ネットトラブルは消費者の被害額にも特徴があります。ネットトラブルにおける被害はほとんど10万円以下の少額です。このためたとえば裁判を起こそうにも、裁判費用などの諸手続費用の方が被害額を上回ってしまい、費用の面から泣き寝入りになるケースが多いわけです。

このようにネットトラブルの解決には多くの壁があることから、事後解決よりも事前予防に力を入れることが大切だといえます。